Mozilla Firefoxのまとめ情報

Mozilla Firefox』の解説

Mozilla Firefoxモジラ・ファイアーフォックス)は、Mozilla Foundationおよびその傘下のMozilla Corporationによって開発されているフリーかつオープンソースウェブブラウザである。FirefoxはWindowsmacOS、およびLinuxで使用でき、AndroidではFirefox for Androidが利用できる。それらはGeckoエンジンによってウェブサイトをレンダリングし、それは現行のウェブ標準を満たすか先取りするものである。iOS向けには2015年後期にリリースされたFirefox for iOSがあるが、アップルがサードパーティのウェブブラウザを制限しているために、GeckoではなくWebKitに基づいたものになっている。

Firefoxは2002年に、Mozilla Application Suiteではなくスタンドアロンのブラウザを求めたMozillaのコミュニティによって、「Phoenix」という名で開発された。ベータ版では、Firefoxは当時市場を支配していたInternet Explorer 6と比べて高速で強固なセキュリティを持ち、アドオンによる拡張性を持つことがテスターに称賛された。Firefoxは2004年11月にリリースされ、9か月間で6000万回ダウンロードされるという成功をおさめ、初めてInternet Explorer 6の牙城を崩したブラウザとなった。Firefoxは、AOLに買収される前のNetscapeによってMozillaのコミュニティが作られたことから、Netscape Navigatorの精神的な後継者とみなされている。

特徴

レンダリングエンジンに を採用
の開発成果である レンダリングエンジンの を引き継いで採用している。そのため、、、、要素、 などのウェブ標準に対する準拠度が高い。標準技術の採用を主眼としつつも、過去に書かれた多くのページと互換を保つために非標準技術をサポートしている。
タブブラウズ機能
同一ブラウザウィンドウ上に、タブと呼ばれる表示ウィンドウ切り替え機能を搭載することで、複数ページの閲覧や操作性を向上している。また一つのウインドウだけでブラウジングができる「シングルウィンドウモード」という機能や、ポップアップウィンドウの制御を行う機能も実装されており、不要なタブを極力開かないですむような設定を行うこともできる。
タブブラウズ機能はユーザーの利便性を損いにくい必要最低限の範囲で実装されているが拡張機能のインストールで挙動を変更したり、より細かい設定を行ったりすることができるようになっている。
マルチプラットフォーム
・ ・ の 3 種類の 環境が正式にサポートされており、リリースは同時に行われる。 向けのバイナリも公式サイトの サーバーで配布されている。また、公式ではないものの、 やその他の のバイナリを配布するサイトもある。 が様々な に対応している理由としては、 や といった に依存しない技術を採用している点が挙げられる。
ライブブックマーク
標準でフィードに対応している。配信されたデータをブックマーク形式で展開することによりブラウザからそのまま活用することができるようになっている。
プライバシー管理
クッキーやページ履歴、入力履歴などの管理を行える。クッキーについては、クッキーの許容・拒絶をページ単位で管理でき、これにより、クッキーによる個人の追跡などを防ぐことができる。
セキュリティ
の制御機能や 、 証明書、 のサポート機能、証明書管理機能などを備える。特に、 通信では、信頼するルート証明書を用いて真正性を確認できた場合には、ロケーションバー(アドレスバー)の背景色が変更され、ユーザーに対してサーバー証明書の有無やその真正性を分かりやすく示している。
アドオン
に機能を追加するプログラムの総称。 1.5 までは拡張機能と外見のみを変更するテーマを別々に管理していたが、 2.0 より二者をアドオンとして統合し、言語パックとして機能する拡張機能を単独のカテゴリに変更した。また、 3.0 からはプラグインと拡張機能の検索機能が追加されている。
拡張機能
の機能を拡張するものである。必要なファイルがパッケージにされた 形式で配布され、クリックするだけで簡単にインストールすることができる。タブブラウズ機能の強化やマウスジェスチャなどの操作性を向上させるものや、 クライアントやフィードリーダー機能など他のアプリケーションを統合したものなど、多種多様な拡張が配布されている。このような拡張機能を自由にインストールして、自分にあった構成を作れることは の大きな特徴である。 は アプリケーション共通の規格のため、 など 以外の アプリケーションにも対応しているものもある。 など主要ポータルサイトも従来 だけに提供していた拡張ツールバーの 版を提供するようになった。
テーマ
のパッケージで配布されるが、これもまた実体は である。自分好みのテーマをインストールすることにより、ブラウザの外観を変更できる。拡張機能と同じように共通で利用できるものも存在するが、 用と 用などを分けて同じデザインを配布しているものも存在する。
言語パック
ユーザインタフェースの言語を変更することができる。複数の言語パックを導入し、必要に応じて切り替えて使用することも可能である。インストール方法や配布形態などは一般的な拡張機能と変わらないが、言語パックは言語パックとして特別なカテゴリで管理されるようになっている。
更新とインストール
拡張機能・テーマ・言語パックの更新が検出されたときは更新というカテゴリにまとめてピックアップ表示され、その中からユーザーが選択したもののみを手動で更新させるようになっている。これによりどのアドオンが更新されたかを一目で把握できるだけでなく、仕様などの問題から更新したくないものは更新させないことができるようになっている。また、再起動を行わないと新規インストール・更新が完了しないものに関してはインストールというカテゴリでピックアップ表示され、この画面からセッションを保持した状態での再起動操作を実行できるシステムも実装されている。
検索プラグイン
ナビゲーションツールバー上の検索バーから直接ウェブサイトを検索できる機能。 や 、 などの検索プラグインが登録されている。ウェブ上で公開されている検索プラグインを導入することでさらに多くの検索を利用することができる。 2.0 からは従来の 形式に加え、 形式の フォーマットに対応した検索プラグインも提供されている。
スマートキーワード
ロケーションバーから直接ウェブサイトを検索できる機能。、、 などを検索窓に登録しておけば、それらで瞬時に検索することが可能である。また、この機能については簡単な記述で設定の変更が可能であり、内部ウェブサーバーに検索エンジンを使っている場合なら簡単にその検索エンジン向けに対応することが可能である(ただし、 2.0 以降の初期設定では何も登録されていないため、手動での作業が必要)。
クラッシュ時のエラー内容を開発元へ自動でフィードバックする機能である。 1.5/2.0 系では が導入されていたが、 3.0 にて に取って代わられた。
自動アップデート
セキュリティアップデート版や新バージョンに簡単に更新できる。定期的にバージョンの確認を行い、新バージョンが利用可能なら差分ファイルを自動的にダウンロードし、インストールの準備ができたことを通知する。更新作業まで自動的に行わせるように設定することもできる。 1.5 系 → 2.0 系など、メジャーアップデートでは差分更新を行わないようになっているが、代わりにアップデートを促すメッセージが表示される。 1.0 ではソフトウェアの更新を通知してユーザーが手動で上書きインストールを行う仕組みであったが、 1.5 で機能が強化され、自動インストールが可能となった。
によっては、 標準のパッケージ管理システムがアップデートを促す仕組みになっている。
セッションマネージャ
終了時の状態(開いているウィンドウ・タブやタブごとの履歴など)を保持する機能である。アドオンや 本体のアップデートによる再起動や、 の異常終了時に次回起動では前回終了したときの状態を復元する。
フィッシング詐欺サイト警告機能
フィッシングの疑いのあるサイトにアクセスすると警告画面を表示する。標準状態で使用する詐欺サイトのリストデータは が提供しているものを使用している。このリストデータは定期的に更新される。また、 のサイトに直接サイトデータを送信して確認する設定もオプションで選択できるようになっている。この機能は 提供のテストページにアクセスすることで確認可能である。 2.0 から搭載された。

ウェブ標準のサポート

は、、、、 1.1 (一部)、、、、、、、, アルファ合成を含む など、多くのウェブ標準をサポートしている。

また は、例えばクライアント側のストレージや 要素などのように、 によって作成された標準企画案の内容もサポートしている。 3.5 から の 要素がサポートされたことが話題となった。

3 ではレンダリングのテストケースである に合格している。

においては 6 以降にて100/100スコア達成が確認されている。

セキュリティ

サンドボックスによるセキュリティモデルを使用しており、また、他のウェブサイトから読み込まれたデータやスクリプトについて同一生成元ポリシーに基づく制限を設けている。

ウェブサーバとの通信を強度の暗号化によって守るために、 プロトコル使用時には が使われる。これはウェブアプリケーションが認証目的のスマートカードを使用する場合にもサポートされる。

は の中から深刻なセキュリティホールを発見した報告者に対して報奨金制度を設けている。また概念実証コードの作成が潜在的な攻撃者に短期的な有利性を与えないようにするために、セキュリティバグの取り扱いに関する公式ガイドラインでは早期の情報開示を思いとどまるよう求めている。

は公に知られている未修正の深刻な脆弱性数が 、 から に乗り換える動機としてセキュリティ向上がよく引き合いに出される 。

ワシントン・ポストは、未修正の深刻な脆弱性に関する実証コードが で利用可能だった期間は2006年は計 284 日だったとレポートしている。これに対して、未修正の深刻な脆弱性に関する実証コードが で利用可能だったのは がこの問題を修正するまでの 9 日間であった。

2006年シマンテックの調査によると、同年9月に他のブラウザと比較して、 はベンダーに認知された脆弱性の数を上回ったが、これらの脆弱性は他のブラウザよりも遥かに素早く処理されていた

。また、後にシマンテックは、セキュリティ研究者によって脆弱性の数を と比較したところ、 の方がより少ないセキュリティに関する脆弱性を有していたことが明らかとなった、と発表した

脆弱性が発見され、それによって著しい社会的影響を与えたケースもあるが、発見から僅かの間に修正されている。

2008年3月26日の時点では 2.0 には 4 つの未パッチの脆弱性があり、デンマークのセキュリティ調査会社である の評価によると、そのうちの危険度は (低)が最高である。

は と統合されておらず、しばしばセキュリティホールの原因となる や を標準でサポートしていない。そのため、それらを悪用するコンピュータウイルススパイウェアが侵入できないことから、 は よりも安全だと言われている。実際に、 との統合や の危険性については の開発者も認識している。

は脆弱性の対応が競合製品と比較してきわめて早いため未対応の脆弱性は少ないが、発見される脆弱性の報告数は逆に競合製品より多い傾向がある。そのため、 等と比較して旧バージョンを使用する危険性が高いといわれる。 のシェアの増加にともなって攻撃にさらされる機会も増えているため、常に最新版を使用することが重要になっている。この点において、パッケージ管理システムが充実している では、最新の に自動的にアップデートすることができる。

また、最新版のウェブブラウザを利用していても、 やコンポーネント側にセキュリティホールが存在すれば、そこを突かれる可能性がある。例えば、 ではアニメーションカーソルの脆弱性により、クラッカーの手によってリモートで制御される危険性があるとの発表がなされている。特にブラウザ等を管理者権限で実行していれば、クラッカーに管理者権限を奪取される危険性がある。この脆弱性は のアニメーションカーソルおよびアイコンのデータ検証方法に起因しているため、 を利用していても攻撃を防ぐことはできなかった。 の 氏は、 2.0.0.3 の次のリリースでの脆弱性の回避策を検討しているとしつつも、全ての 利用者に対して のセキュリティアップデートを直ちに行うことを推奨するとの声明を発表した。

このように、ウェブブラウザの種類に関わらず に最新のセキュリティアップデート(など)を常に適用しておくことは重要である。

アドオンやプラグインのほとんどは ではない第三者より作成されている。よってそれらに関するセキュリティは の管轄ではない。プラグインにセキュリティホールが発見されても、プラグインによっては自動でアップデートされないものもあるため、利用しているプラグインのインシデント情報には注意を払うことも必要である。なお、著名なプラグインには自動通知や自動アップデート機能が搭載されている。

また 版 にビルトインで組み込まれている のプラグインは自動更新の対象になるものの、コンテンツを取り扱うのは 本体なので前述の通り のアップデートを必要とする。

2008年5月7日、 が配布していた 2 用アドオンであるベトナム言語パックに、ダウンローダが混入されていた事が判明した。 ではこの問題に対して全てのアドオンについて毎日ウイルススキャンを行う事を検討している事をで表明している。

メモリ消費の削減

はメモリの消費量が多く、アドオンと設定によっては数百–1以上になることもあるため、それがユーザ離れの原因にもなっていた。

原因としては 3.x から 4 へのアップデートの際、 の変更、大量の新機能の追加、新たな エンジンの実装、セキュリティの強化など様々な変更を行い、メモリ消費量は格段に上がったといわれている。

はこの問題を認識しており、2011年6月から というプロジェクトを立ち上げ、対策を行っている。

は自らの取り組みを、毎週自らのブログで公開している。すでに の実績はその後のアップデートに生かされており、記憶領域の使い方、機能の見直しや変更などで、メモリ使用量を減らしつつある。2013年は 26 まで、2014年は 34 まで、2015年は 43 までリリースされた。

ラピッドリリース移行後、以下の五種類のエディションがリリースされるようになった。下の物ほど不安定で更新頻度が高く、 (ベータ版) では正式版の次のバージョン、 (アルファ2版) ではベータ版のさらに次のバージョン、 (アルファ1版) ではそのさらに次のバージョンが開発されている。 は原則毎週更新、 及び は原則毎日更新。開発中の新機能の追加は主にアルファ版で行われ、ベータ版では基本的にアルファ版で加えられた変更へ安定性や互換性の修正が行われる。2014年11月10日より、AuroraからDeveloper Editionに名称が変更された。また、2017年3月31日にFirefox54を最後にAuroraを廃止する旨を発表している。

このラピッドリリースの開始に伴い、企業や自治体などでのブラウザサポートに不安が生じていることから、延長サポート版となる () が用意されることになった。最初の は 10 となり、以後正式版リリース8回ごと(バージョン17、24…)に がリリースされる。 はリリースから54週間(約12か月半)のサポートが行われる。その間、通常リリースと同様に6週間毎に修正版のリリースが行われる。バージョンナンバーは XX.0.Y(XXがメジャーバージョン、Yがリビジョン番号、0から8)となる。 が用意されるのは 版、 版、 版のみ。詳細はを参照。

  1. (延長サポート版)
  2. (正式版)
  3. (ベータ版)
  4. (アルファ2版)
  5. (アルファ1版)

ソースコードの公開

1998年当時、 が9割近くのシェアを持っていたが、マイクロソフトの が無料でかつ にバンドルされていたために、凄まじい勢いでシェアを獲得しつつあった。

そのような背景の中で1998年1月22日、ネットスケープは のソースコードを公開し、オープンソース化することを発表。1998年2月23日、ネットスケープが公開するオープンソースコードを共同開発するために が立ち上げられた。

そして1998年3月31日、 5.0 のソースコードが公開される。

ブラウザの分離

オープンソースとして開発された スイートは、と同様にウェブブラウザ機能やメール・ニュース機能、ウェブページ作成機能など多くの機能を含んだインターネットアプリケーションスイートであったが、動作が重くソースコードも複雑であった。

そこで2002年中頃から、スイートも開発を継続しながら、ウェブブラウザ部分()とメール・ニュース部分()を個別に開発することになった。

この戦略には、アップルが2003年1月に開発を発表したウェブブラウザ、がの開発しているGeckoではなく、プロジェクトが開発しているレンダリングエンジンを採用したことが同じく絡んでいるとされる。「軽量・高速性」への需要は、アプリケーションスイートとして開発されていたには満たせないものであった。

そのようにして誕生した軽量なブラウザは'と名付けられ、2002年9月にリリースされた最初のバージョン 0.1 から 0.5 まで用いられた。しかし、この名称は社の商標権を侵害することが判明したため、変更せざるを得ない状況に追い込まれた。

こうして次項にも述べられる名称、'という名称が採用されることとなった。プロダクト名としてのは放棄されるも、開発ロードマップ上は、継続的にという名称が使用された。

ブランディング戦略の発表

ユーザからどのような名称がよいかなどを投票で集め、かつ商標権に抵触しない名称を考慮した結果、2003年4月に という新名称が決定した。しかしこの名称が新たな問題を引き起こしてしまうこととなる。 という名前が、 と同じくオープンソースで開発されている関係データベースプロジェクトの名称であることが判明し、同データベース プロジェクトから に攻撃的な形で強い苦情があった。これを受けて は というブランディング戦略を発表した。

で述べられていたことは次のようなものである。

  • プロジェクトはメインで開発している を 1.4 まで開発する。その後は 及び同じく 派生のスタンドアロンメーラ、 をメインに開発していく。
  • 開発体制がシフトしたあとは、 はそれぞれ と名称を変えて開発していく。
  • それまでの措置として を と呼ぶ。

このブランディング戦略によりデータベース プロジェクトとの名称問題は沈静化した。2003年5月には、 として初のリリースとなる 0.6 が登場した。

その後、 1.0 系列のプロダクトは、 1.7 系列の基盤に即すものとする方針となった。

======

ブランド戦略により、 という名前は一時的なものとなった。しかし 1.4 がリリースされた後も依然として という名称変更が行われる気配がなかった。 の完成度がメインプロダクトとして機能するほど充分な状態になかったことが原因であったが、さらに という名称が使われ続ける原因となる の設立である。

2003年5月末に起こった とマイクロソフトの和解により、 傘下のネットスケープとマイクロソフト間で起こっていた反トラスト法訴訟などがすべて取り下げられた。また同時に、 を数年に渡りロイヤリティフリーで使うという契約を結んだことにより、ブラウザを提供するネットスケープの存在価値が危ういものとなった。これはネットスケープのコードベースにもなっている の存在価値をも揺るがす問題であった。こうした事態を受けて 2003年7月、 は から資金提供を受け、 の開発を支援する団体である を設立した。

の設立により、ネットスケープ社が担っていた「エンドユーザへのソフトウェア提供及びサポート」という目標が にも覆い被さることとなった。それまでネットスケープ社がリリースしたもののサポートを含め、 は をその後もリリースしていかざるを得ない状況となってしまった。これにより4月に発表されたブランドにおける「 への開発体制移行」が閉ざされてしまうこととなった。

これにより、一時的とされていた という名称を使い続けることに対する懸念が生まれた。そのため同年11月頃から開発チームが新たな名称への変更をするための動きが水面下で行われた。商標に関するトラブルはもちろん、他のプロジェクトで使われている名称との衝突を避けるため、念入りにリサーチが行われた結果、' という名称がこのブラウザの正式名称となることが決定し、2004年2月には 0.8 がリリースされた。

このブラウザの名称にまつわる問題は、 という名前に落ち着くことで解決となった。名称の由来はレッサーパンダ () の別名からきている。

Firefox Quantum

2017年、Firefoxは技術的に大きな転換期を迎えた。かつてFirefoxの根幹を担ってきたXULが廃止されつつあり、Firefox 57では拡張機能がWebExtensionsに移行し、旧式の拡張機能は使用できなくなる。これらはFirefoxのパフォーマンス、安定性、セキュリティを向上させるために行われているが、Firefoxの特徴であった拡張性は制限されることになる。(派生ブラウザであるPale Moon等、拡張性を維持するブラウザも存在する。)

2017年9月26日、「Firefox Quantum」と名付けられたFirefox 57のベータ版が公開された。Mozillaによれば、Firefox Quantumは1年前のFirefox 52と比べて2倍高速でChromeと互角になり、しかもメモリの消費量はChromeより30%少ないとしている。これは、Rustによってプログラミングされた新レンダリングエンジン(Servo)の成果であり、マルチコアマルチプロセスへの対応によって高速化が行われた。Firefoxのマルチプロセス化はすでにElectrolysis(e10s)の呼称で行われていたが、導入されたFirefox 48の時点では、安定性の問題からまだ1%のユーザーしか利用できなかった。Firefox 57は、処理の並列化を本格的に推し進めたバージョンとなった。ユーザーインターフェイスも一新され、Photonと呼ばれるものに置き換わった。全体として、ChromeやEdgeのようなミニマルデザインとなっている。Mozillaは2013年からQuantumプロジェクトに取り組んできたが、それによってGeckoからServoへの置き換えは今後もさらに続くという。

Frederic LardinoisはTechCrunchにて、Firefox Quantumに対し「Firefoxにもう一回チャンスを与えるべきときだ」と記し、Chromeと比べて大幅に良いとは言えないながらも、対抗できるだけの性能を備えたことを評価している。窓の杜の記事では、旧式のアドオンが使えなくなるなどの問題はあるが、Firefox Quantumが成し遂げたパフォーマンスの向上はその欠点を補って余りあるとしている。また、Digg.comによる2015年製のMacBook Airを用いたテストでは、Firefox QuantumはChromeより消費メモリが40%少なかったとしている。

市場シェア

StatCounterによれば、2009年12月の時点でFirefoxのすべてのバージョン合計で32%のシェアを占めていた。バージョン別ではFirefox 3.5がInternet Explorerの諸バージョンを抑え最も利用者が多かった。その後、Net Applicationsのデータによると、2016年9月の時点でFirefoxのパソコン向けブラウザのシェアは9.2%にまで低下したが、2017年9月には12.9%に回復している。

表記・略称など

は「」「」「」「」「」などと表記されることがあるが、正式にはこれらは全て誤表記である。また、日本のみならず英語圏などでも「」と略記されることがあるが、バージョン1のリリースノートでは略称として「」あるいは「」が推奨されていたが、バージョン2以降のリリースノートではこの記述が削除されている。

日本中国においては「火狐」や「狐」と称されることもある。また、 は狐をモチーフとした公認のマスコット「フォクすけ」をプロモーションに使用しており、 3 公開時には日本では「今度のキツネは」というコピーを含んだ広告を山手線中央線内で流した。

システム要件

Firefoxのソースコード自体は、様々なプラットフォーム向けにコンパイル可能である。しかし、公式に配布されているバイナリは以下のプラットフォーム向けに限られている。

Android版においては、幅 320 ピクセル×高さ 240 ピクセル以上の画面が必要である。

  • Linux: Firefox 4以降、Linux向けにはtier 1として64ビット版ビルドが公式に提供されている。SUSE LinuxRed Hat LinuxUbuntuでは、Mozillaによる公式サポートに先駆けてベンダーによって64ビット版ビルドが提供されていた
  • macOS: Firefox 4以降、macOS向けの公式ビルドはUniversal Binaryであり、32ビット版と64ビット版が同梱されている。ブラウザプロセスは64ビット、プラグインプロセスは32ビットで動作しており、64ビットに未対応のプラグインを利用することが可能である。
  • Windows: 32ビット版ビルドのFirefoxは、32ビット版、64ビット版いずれのWindows上でも利用可能である。2012年にWindows向け64ビット版ビルドの提供を取りやめる意向を表明したが、後に撤回された。2015年4月、Beta版のバージョン38においてWindows向けの64ビット版ビルドが利用可能となった。2015年11月にリリースされたバージョン42より、Windows向けの64ビルドが正式に利用可能となったが、Adobe Flash Playerを除くNPAPIプラグインを利用することはできない

非公式ビルド

以下のプラットフォームにはMozillaによる公式ビルドは提供されていないが、有志によって非公式ビルドが提供されている。

ライセンス

のソースコードはフリーソフトウェアで使われるライセンスのひとつである()を採用している。のソースコードを利用して開発された派生のソフトウェアには後期のや、、などがある。

当初は単独のライセンスとして提供してきたが、フリーソフトウェア財団がについて派生物の作成に制約が課せられているなど、コピーレフトの要素が弱いとして批判した。そこでは// のトリプルライセンスで提供し、利用者はいずれかを選択して利用するということでのコピーレフトの要素を強めた。

2012年1月3日にをバージョン2.0に改定し、などのコピーレフトなライセンスとの互換性を強化させた。これを受けて2012年6月5日にリリースされた 13 から再びの単独ライセンスとして提供されている。

トレードマークとロゴ問題

thumb

「」とオフィシャルロゴは登録商標であり、 特定の条件の下でのみ使用が許可される。 の名前とブランドを使ったオフィシャル・バイナリは、改変を加えなければ誰でも配布することができるが、ソースに変更を行った場合制限が課される。このような一部のディストリビューションに「」の商標を使わせない方針は論争を呼ぶことになった。この論争について の であるミチェル・ベイカー () は2007年のインタビューで「ソースコードを改変しない場合は自由に 商標を使用できる。 の狙いは のユーザエクスペリエンスを確固たるものにしたいということだけだ」と述べている。

のソースコードはオフィシャル以外のビルドが作成できるようにブランドの有無が切り替えられるようになっている。ソースコードを改変した派生版や、アルファ版・ベータ版のリリースに使われる。ブランドを付けないビルドでは、自由に配布できる代替ロゴと、元になった のバージョンに対応する名前が付けられる。 1.5/2.0/3.0 の派生版はそれぞれ と呼ばれている。

コミュニティ版用の例外を除いては、 の名前をつけた派生版はソースコードの変更に関して からの許可が必要であり、またその場合も 全ての'' ブランディングを適用しなければならない。例えば、オフィシャルロゴは使わずに の名前だけを使うといったことはできない。 は2006年にDebianフリーソフトウェアガイドラインの制約から、 のオフィシャルロゴを使わないと決定したが、 は 版 においてロゴのみの変更は認められず、商標ガイドラインを遵守しオフィシャルロゴを使うか、 の名前を使わないか選択しなければならないと伝えた。

結局、 はこの を という名前に変更し、独自のロゴをつけることになった。

広告

は2004年にとがマーケティング週間と呼んだ一連のイベントから始まった積極的なマーケティング・キャンペーンに伴って急速に普及し、 1.0 の登場からの 1 年で 10 億ダウンロードを達成した。

2004年9月12日に 1.0 のプレビュー版をリリースするとともに、「」と名付けられたマーケティング・ポータルが開設され、マーケティングについてのいろいろな技術的議論のための中心的な場所が提供された。「」(を今すぐ入手)ボタンが改良され、ボタン設置者の「リンク元ポイント」を集計してトップ 250 が閲覧できるようになり、設置者の貢献度が目で分かるようになった。また時には、 チームやメンバーがウェブサイトで結成されたイベントを実行することもあった。

の設立3周年の2006年7月に開始され、9月まで実施された「」キャンペーンでは、ウェブ上で登録すれば の本部オフィスで展示される「」に参加者(推薦者)と友達(新しく をダウンロードした人)の名前が載るという企画が行われた。

Mozilla Firefox』の解説 by はてなキーワード

Mozilla.orgがリリースする、World Wide Web ブラウザコンポーネントの正式名称。通称Firefox

Firebirdという名前で知られていたが、0.8のリリース時にFirefoxと改名。このブラウザは通算3回目の改名となる。

rediscover the web (Webの再発見)

  • Firefoxのキャッチフレーズ
    • the browser, reloaded. (ブラウザ、今ふたたび)
    • Take back the web (Webを取り戻せ)
    • web browsing redefined. (再定義されたWebブラウジング)
    • rediscover the web (Webの再発見)

改名に至った経緯

2003年の半ばにMozilla Foundationが組織され、またAOLからNetscapeが今後リリースされることがないと明らかになってから、Mozilla.orgアプリケーションスイートであるMozillaをエンドユーザ対象に方向転換することとなってしまった。

この時問題になったのが、同年4月に発表されたMozilla Branding戦略である。BrandingにはMozilla 1.5を境に開発体制をMozilla Application SuiteからFirebird, Thunderbirdへとシフトさせることが明記されていた。しかし"Firebird"という名称がすでに存在していたオープンソースデータベースの名前として使われていたため、データベースの開発者から強い反発を受けた。そこで開発体制がシフトしたあとFirebird, ThunderbirdMozilla Browser, Mozilla Mailと名称変更をすることにし、Firebird, Thunderbirdはそれまでの一時的な名称とされていた。

しかしFirebird/Thunderbirdがエンドユーザに提供できるほど完成されていなかったこと、Netscape打ち切りによるMozilla Application Suiteへのサポートが期待されたことから、Mozilla Foundationブランディング戦略を2004年に変更し、今後もメインで開発されるものはMozilla、新しい機能などはFirefox/Thunderbirdを中心に開発していくと発表した。

新しいブランディング戦略により、それまで一時的とされていたFirebirdという名前を今後も使い続けることに問題が生じるだろうという懸念が生まれた。このため2003年の11月から、Mozillaデベロッパーの間で新しいブランディング戦略及び、Firebirdの名称を再度変更するという動きが水面下で行われた。登録商標になっていないもの、他のプロジェクトと名称において摩擦が起きないものを選んだ結果、Firefoxという名称をブラウザの正式名称として使用することが決定し、2004年2月、Mozilla Firefox 0.8がリリースされた。

歴史

  • Phoenixとして開発がはじまる
  • 2003年4月 Firebirdに改名を発表
  • Firebird バージョン0.6をリリース
  • 2004年2月、Mozilla Firefoxに改名。バージョン0.8をリリース
  • 2005年11月 バージョン1.5リリース
  • 2006年10月 バージョン2.0をリリース
  • 2008年7月 バージョン3.0をリリース
  • 2009年9月 バージョン3.5をリリース
  • 2010年1月 バージョン3.6をリリース
  • 2011年3月 バージョン4.0をリリース ここからリリースサイクルが短くなる。
  • 2011年6月 バージョン5.0をリリース これより高速リリースサイクルに移行。
  • 2011年8月 バージョン6.0をリリース
  • 2011年9月 バージョン7.0をリリース
  • 2011年11月 バージョン8.0をリリース
  • 2011年12月 バージョン9.0をリリース
  • 2012年1月 バージョン10.0をリリース
  • 2012年3月 バージョン11.0をリリース
  • 2012年4月 バージョン12.0をリリース
  • 2012年6月 バージョン13.0をリリース
  • 2012年7月 バージョン14.0をリリース
  • 2012年8月 バージョン15.0をリリース*1
  • 2012年10月 バージョン16.0をリリース
  • 2012年11月 バージョン17.0をリリース
  • 2013年1月 バージョン18.0をリリース
  • 2013年2月 バージョン19.0をリリース

関連リンク

Mozilla Firefox Project
Mozilla.orgにあるプロジェクトページ。日本語版のMozilla Firefox プロジェクトも。
Firefox Roadmap
ロードマップ。日本語版のFirefox ロードマップも。
Mozilla Firefox まとめサイト
2ちゃんねる有志によるまとめサイト
Firefox更新情報 Wiki*
Firefox関連のバージョンアップ情報に特化したwiki
Hatenabar(Firefox Extension)
はてなを便利にお使いいただくための、Firefox機能拡張。

Mozilla Firefox』by Google Search

This page is provided by Matome Project.
Contact information.