金水敏のまとめ情報

金水敏』の解説

金水 敏(きんすい さとし、1956年4月29日 - )は、日本日本語学者大阪大学教授。

人物

大阪府大阪市出身、兵庫県西宮市在住。1979年東京大学文学部国文科卒、82年同大学院人文科学研究科国文科博士課程中退、東京大学文学部助手、1983年神戸大学教養部講師、1987年大阪女子大学講師、1990年神戸大学文学部助教授、1998年大阪大学文学部助教授、2001年同文学研究科教授古典語から現代語まで日本語文法の幅広い分野を研究対象とし、近年は役割語の提唱と研究を行う。1992年豊田実賞2006年、『日本語存在表現の歴史』で新村出賞を受賞。

現在、日本語学会評議員、日本言語学会委員、言語処理学会理事、日本語文法学会副会長・評議委員、日本学術会議会員などを務める。

著書

  • 『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』岩波書店、2003
  • 『日本語存在表現の歴史』ひつじ書房、2006
  • 『コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき』そうだったんだ!日本語 岩波書店、2014

共編著

編著

  • 『役割語研究の地平』くろしお出版、2007
  • 『役割語研究の展開』くろしお出版、2011
  • 『〈役割語〉小辞典』研究社、2014

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ヴァーチャル日本語 役割語の謎

この本は、以下のセリフは誰が言ったものかをあてる、こんなテストで始まります。

1 そうよ、あたしが知ってるわ
2 そうじゃ、わしが知っておる
3 そや、わてが知ってるでえ
4 そうじゃ、拙者が存じておる
5 そうですわよ、わたくしが存じておりますわ
6 そうあるよ、私が知ってるあるよ
7 そうだよ、ぼくが知ってるのさ
8 んだ、おら知ってるだ

選択肢 ・お武家さま ・(ニセ)中国人 ・老博士 ・女の子
・田舎者 ・男の子 ・お嬢様 ・関西人

日本語を母語として生活していれば難しくありませんが、著者が言う通り、考えてみるとこれは不思議なことです。

実際にこんな風に話している人はほぼいない、それなのに、子供も含め、こうした言葉づかいをみんな当然のものとして了解しているからです。
著者は、ある特定の言葉づかいを聞くと特定の人物像を思い浮かべることができる、特定の人物像を提示されると、その人物がいかにも使用しそうな言葉づかいを思い浮かべることができる、こうした、現実ではない仮想=ヴァーチャルな言葉づかいを役割語と定義し、「ステレオタイプ」「標準語」をキーワードに、その背景にあるものを読み説いていきます。
現実にはない博士語、老人語がそれらしく感じられるのはなぜか、鉄腕アトムのお茶の水博士、ポケモンのオーキド博士は博士語で話すのに、鉄人28号の敷島博士、Dr.スランプの則巻千兵衛はなぜそうでないのか、「風と共に去りぬ」では、主人公の言葉と黒人侍女の言葉はどのように訳し分けられているか等、興味深い話題が満載です。
そういえば、歌に当たり前に出てくる「きみ」って、本当は言わないよなとか、あえて関西の言葉で書かれた歌詞にはどんな効果があるだろうとか、いろいろ考えたくなる本です。

主説は興味深く読めました。
また、役割語をどのように使っているかという視点で、過去に読んだ物語もまた楽しめるようになりました。
本書の構成。
大きく2つに分かれております。
1.役割語の誕生とその歴史
2.役割語の使われ方と、作られ方(仮説)
以下は一通りの解説。
1.役割語の誕生とその歴史
本分のメインを締める解説。作者の方曰く、作成途中らしい。
2.役割語の使われ方と、作られ方(仮説)
現実と仮想現実。


現実の中にある位相という社会的クラス分けと、その中で使われている言葉の差。
現実と作品中の話し方はまるで違う。役割語を使う人間は、現実には存在しない。

仮想現実とは物語上のこと。
役割語はその名の通り、役割を端的に表現できる言葉として作品中に使われる。
ステレオタイプとサブタイプ(*その他という意味)への区分け。
先入観によるタイプ分け。
思い込み通りなら、型どおりに区分け。異なる場合は、それ以外と区分けする。
過去から続く、仮想現実上の先入観を上手く利用し、効果的に役割を表すのが役割語の役目。
雑感を少々。
引用についてですが、引用がなけば雰囲気が掴めないので、あった方がいいでしょう。
しかし、明治以前の引用も多く、読んでもいまいち理解できないので、僕は読みませんでした。
あと、比較的簡単な漢字にも、引用にカナをふってくれているのはありがたいと思いました。

読み終わってから気が付いたのですが、子供は役割語が好きでよく使いますね。
特に女の子は女性らしい言葉を多用しているように思います。

漫画の白髭の老博士は「○○するのじゃ」と、巻き髪のお嬢様は「良くってよ」と、中国人は「○○アルヨ」と言う。

実際にそんな言葉を使っている人なんていないのに、なぜか一定の役割を表すシンボルのように使われる奇妙な日本語(ヴァーチャル役割語)の起源を現代漫画から江戸時代の読本まで文献資料をひもときつつ探る本。

お嬢様言葉が明治時代の女学校言葉で当時は「乱れた言葉」として批判されていた。時代は変わっても「乱れた日本語」論争はいつの時代にもあるのだなと思った。


戦前の女学校=良家の子女=お嬢様というイメージだけが残り、お嬢様言葉=女学校言葉となったという経緯は興味深い。本書を通じて明らかになるのは、ヴァーチャル役割語が表すイメージには過去、その役割が持っていたイメージに深く関わっているということだ。

よく考えてみると不思議だけど何となく使われている言葉の起源がわかり知的好奇心を満たしてくれる。専門用語もなく、すらすらと読めるので、言語に興味のある人は読んでみると良いのではないだろうか。

日英語対照による英語学概論

5つ星のうち 4.0英語学の概論書に最適

(参考になった人 3/5 人)

言語学の観点からの英語学の概論書。

概論書とは言っても内容的には非常に濃い内容である。

本書だけで十分、院試に対応できると思う。

本書は、日英対照という観点から、音韻論、形態論、統合論、意味論、語用論、英語史というように体系的にまとめられているのが本書の特徴。また、英語学の概論書を売りにしている書籍は多数散見されるが、本書のように日本語と英語の対照(比較)という観点から書かれたものは当時としては画期的なものであったのではないだろうか。


その意味において本書の果たす役割、また既に果たした役割は非常に大きなものだったに違いない。ここに著者のみなさんへ敬意を評したい。

しかし読み進めるに当たって、第一章音韻論は普段私たちがなじみが薄いと思われるので理解するには第一章には労力を要すると思う。
その他の内容は日本語と英語による比較例文が多く例示されているので比較的楽に理解できるものと思う。

また、本書で概論を理解され、さらに興味をもたれた方は、「日英対照による英語学概論」の上にある「英語学シリーズ」を読み進められることをお勧めする。
これらのシリーズは、大学院生を念頭に書かれたものであるため非常に濃い内容を含んでいる。また、二次利用的な方法へ立脚すれば院試対策としても十分に耐えうる内容である。

ただし、結びにこの「日英対照による英語学概論」のマイナス点を挙げておく。それは、本書が初版からすでに10年近くの月日が流れているということである。この点は、改定版が出版されることに期待したいと思う。内容的には☆5つの点数をつけたいが、以上の点を考慮し、評価は☆4つとした。

音声学・統語論・意味論など言語学の主要分野が1冊にまとめられている。 各分野への入門編として使えるし、これ1冊の知識でも院受験に歯が立たないわけでもない。 (但し、得意分野を作るために各分野の専門書を1冊は読んでおいた方がいいだろう) 各セクションに練習問題がついており、自分の実力が試せる。 解答はついてないが、大学附属図書館などにおいてあることも。

意味と文脈

共著のせいでもないだろうが、読む本ではなく、学説を網羅して少々の解説を加えた編集方法になってしまっている。これだと、分担執筆がやりやすい。その少々の解説は、読んで意味概念を抱けるほどの説明を得にくく、次々と話題が展開している。岩波書店は、「わかりやすく解説した画期的な入門書」と位置付けているようだが、言語学を一通り学んだ人のための用語集のようだった。
本書から得た利点は、紹介文献の正鵠さだろう。『言語学の潮流』からの引用が多かったのでこれと、関連性理論の紹介にいたる文脈理解への紹介にあった『関連性理論−伝達と認知』の2冊を購入するきっかけとなった。


各章末に演習問題が掲示してあるのだが、解答例と著者らの意見を含んだ解説がない。交渉術、影響力、意志決定論のようなコミュニケーションの分野やルールを学んでいる読者には、問題の意図にいかに抗う答弁を用意するかというための練習問題になってしまっているのではないか。後味の悪い推理小説のような体裁にしないで、執筆者の責任でコンメンタールを載せておくべきだったのではないか。

目次、章節項。索引あり。参考文献あり。しおり紐、なし。

金水敏』の解説 by はてなキーワード

言語学者。大阪大学大学院文学研究科教授。1956年大阪生まれ。

神戸大学教養部、大阪女子大学学芸学部、神戸大学文学部等を経て現職に至る。専門は日本語文法の歴史、役割語研究など。

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