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日本銀行』の解説

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日本銀行(にっぽんぎんこう、にほんぎんこう、)は、日本銀行法平成9年6月18日法律第89号)に基づく財務省所管の認可法人(財務省設置法4条59号)であり、日本国中央銀行である。略称は日銀(にちぎん)。日本銀行の読みは、正式な読み方は存在していないが、日本銀行内では「にっぽんぎんこう」と呼ぶ事とされており、日本銀行券でのローマ字表記もNIPPON GINKOとなっている。なお、国会では「にほんぎんこう」が使用されている。

概要

日本銀行は、日本国政府から独立した法人とされ、公的資本民間資本により存立する。資本金は1億円で、そのうち政府が55 % の5500万円を出資し、残り45%にあたる約4500万円を政府以外の者が出資する。出資者には一般の株式会社の株式に相当する出資口数を証した「出資証券」が発行されるが、出資証券はジャスダックに上場され、株式に準じて取引されている(ただし、一般の上場株式とは違い、一部の証券会社では日銀出資証券を取り扱っていない場合がある)。証券コード8301。取引の1単元は100株(便宜上の呼称で、正しくは100口)。

2015年(平成27年)3月末日時点における政府以外の出資者の内訳は、個人40.1%、金融機関2.2%、公共団体等0.2%、証券会社0.0%、その他法人2.5%となっている。株式会社と異なり、出資者は経営に関与することはできず、役員選任権等の共益権はない。自益権に相当する剰余金の配当は、払込出資金額(1株の額面金額に相当、1口あたり100円)に対して年5分(5 %)以内に制限されている。もし、日本銀行が解散決議した場合でも残余財産の分配は出資者にはなく、日本銀行法によりすべての財産は国に帰属することになっている(第9章 第60条2項)。

なお売買価格は株式市場における実勢価格であり、「額面の出資金額」とは異なる。売買単位は100口ではあるが、100口券を1口券100枚に分割可能であること及び、100口未満(1 - 99口)の買取請求ができないことから、単元は1口と考える。

沿革

第二次世界大戦下の旧日本銀行法では、「国家経済総力の適切なる発揮を図るため国家の政策に即し通貨の調節、金融の調節及び信用制度の保持育成に任ずる」、「専ら国家目的の達成を使命として運営せらしむる」機関とされていた。

役割

1998年(平成10年)、日本銀行法の全面改正によって、「物価の安定」と「金融システムの安定」という二つの日本銀行の目的が明確に示された。政府からは独立して運営されるようになって戦前の国家総動員・戦時立法色は払拭されたが、日本国憲法第65条に反するのではないかという問題がしばしば論じられるようになった。また、を基礎とした国民経済の発展に資する機関として経営政策全般の透明化が求められるようになった。

統制の問題はあるが、政府とは取引関係がある。日銀が保有する長期国債の買戻し条件付売却、政府短期証券の引受、償還期限の到来した国債等の借換のための引受である。本来、借換は累積債務を減らすために行うものであるが(預金供託金庫を参照)、実態として借換が債務を増加させている。

機能

  • 発券銀行として日本銀行券の発行および管理を行う。
  • 政策金利(旧・公定歩合)操作、公開市場操作支払準備率操作等の手法により金融政策を実施し、通貨流通量を調整することで物価と国民経済を安定させる。
  • 日本銀行の当座預金を使って銀行などの金融機関同士の取引の決済を行う。つまり銀行の銀行である。
  • 国庫金の出納を行う政府の銀行である。
  • 内国為替業務による円滑な資金決済や、日銀特融などの制度担保(「最後の貸し手」)により金融秩序の安定を図る「銀行の銀行」としての役割を果たす(預金や融資の取引の相手方は、日本銀行法の定めに基づき指定された金融機関等に限られる)。
  • 各国中央銀行や公的機関との間の国際関係業務(外国為替市場への介入を含む)を行う。
  • 金融経済情報の収集および研究を行う。
  • 経済統計の作成および公表を行う。

通常業務

  1. 商業手形その他の手形の割引。
  2. 手形、国債その他の有価証券を担保とする貸付け。
  3. 商業手形その他の手形又は国債その他の債券の売買。
  4. 金銭を担保とする国債その他の債券の貸借。
  5. 預金契約に基づいて行う預金の受入れ。
  6. 内国為替取引。
  7. 有価証券その他の財産権に係る証券又は証書の保護預り。
  8. 地金銀の売買その他前各号の業務に付随する業務。

政策決定

政策委員会の設置
日本銀行には政策委員会が置かれている(日本銀行法14条)。この政策委員会は日本銀行の最高意思決定機関であり、その権限は多岐にわたるが、通貨および金融の調節に関する事項(金融調節事項)の方針決定、その他の業務の方針の決定、役員(監事及び参与を除く)の職務の執行の監督を主な任務としている。
政策委員会の組織
政策委員会は9人の委員(総裁・2人の副総裁と6人の審議委員)からなる(日本銀行法16条1項・2項)。政策委員会の長は議長であり委員の互選によって選ばれる(日本銀行法16条3項)。また、あらかじめ議長の職務代理者も定められる(日本銀行法16条5項)。
現在の委員は、総裁黒田東彦、副総裁岩田規久男中曽宏、審議委員原田泰白井さゆり石田浩二佐藤健裕木内登英・布野幸利である。
政策委員会の議事
委員会の会議の開催と議決には、議長が出席し、かつ、現に在任する委員の総数の3分の2以上の出席を要する(日本銀行法18条2項)。
委員会の議事は出席した委員の過半数で決し、可否同数であれば議長が決する(日本銀行法18条2項)。
政策委員会には、政府から財務大臣と経済財政政策担当大臣(またはその指名する財務省内閣府の職員)が適宜出席する。この政府からの出席者は、意見を述べることができ、また、金融調節事項に関する議案を提出し、その議決の延期を求める事ができる。ただし、これらの者に議決権はなく、延期の求めも委員の議決によってその採否が決められる。

量的金融緩和政策

量的金融緩和政策は日本銀行や諸外国の中央銀行の多くがもつ金融調節機能の一つであるが、近年、国際的に多大な注目を集めている。長年、日本銀行を批判してきた黒田東彦総裁は、15年にわたる日本のデフレーションの「責務は日銀にある」と明言しており、2013年4月、年2%のインフレーションの目標を2年程度で実現するために日銀が供給するマネタリーベースを2年間で2倍にするなど大胆な量的金融緩和に踏み切った。実際の推移は右のグラフ参照。黒田総裁の就任後からマネタリーベースが急増している。

日本銀行の量的金融緩和は黒田総裁以前にも、金融政策決定会合の審議委員であった中原伸之によって提案され、2001年3月から実施された。実際の推移は右のグラフ参照。この時の量的金融緩和について、アメリカのベン・バーナンキFRB議長は不十分で中途半端であると評し、当人はアメリカのマネタリーベースを約5倍にする大規模な緩和を実施した(ベン・バーナンキの記事を参照)。イングランド銀行マーク・カーニー総裁は日本が過去に早すぎる量的金融緩和の緩和解除を行ったとし、その誤りをイギリスが繰り返さないことが重要だと指摘している。この緩和解除については右のグラフの2006年から2007年の変化に現れている。

さらに古くは、量的金融緩和政策は蔵相や日本銀行総裁を務めた高橋是清が昭和恐慌や世界恐慌により混乱する日本経済をデフレーションから世界最速で脱出させたということなどにも遡ることができる(高橋是清の記事を参照)。

役員

日本銀行には役員として、総裁(1人)、副総裁(2人)、監事(3人以内)、理事(6人以内)、参与(若干名)、審議委員(6人)が置かれる。審議委員とそれ以外の役員とで日本銀行法での規定に差異があるため、辞令上の正式表記では審議委員のみ「日本銀行政策委員会審議委員」のように「政策委員会」が冠される(その他の役員は「日本銀行総裁」のように表記)。

総裁、副総裁、審議委員は、衆参両議院の同意を得て内閣が任命する(いわゆる国会同意人事の一つ)。監事は内閣が任命する。理事、参与は政策委員会の推薦に基づいて財務大臣が任命する。

総裁、副総裁、審議委員の任期は5年、監事、理事の任期は4年、参与の任期は2年である。

理事を除く役員は、法に列挙された事由に該当する場合(破産手続開始の決定を受けた時、禁錮以上の刑に処せられた時など)を除き、在任中、その意に反して解任されることがない。

  • 総裁:日本銀行を代表し、政策委員会の定めるところに従い、日本銀行の業務を総理する。
  • 副総裁:総裁の定めるところにより、日本銀行を代表し、総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁に事故がある時はその職務を代理し、総裁が欠員の時はその職務を行う。
  • 監事:日本銀行の業務を監査する。監査の結果に基づき必要があると認める時は、財務大臣、内閣総理大臣又は政策委員会に意見を提出することができる。
  • 理事:総裁の定めるところにより、総裁および副総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故がある時は総裁の職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員の時は総裁の職務を行う。
  • 参与:日本銀行の業務運営に関する重要事項について、政策委員会の諮問に応じ、または必要があると認める時は、委員会に意見を述べることができる。民間から、金融界を中心とする財界人と学者が充てられる。
  • 審議委員:経済又は金融に関して高い識見を有する者等の中から、衆参両議院の同意を得て、内閣に任命され、総裁、副総裁とともに政策委員会を構成する。

日本銀行の職員数は2008年3月末現在4,853人。職員は総裁が任命し、「みなし公務員」とされる。

日本銀行の統一金融機関コードは、0000SWIFTコード(国際送金用の電信コード)は、BOJPJPJT

歴代日本銀行総裁

  • 退任日に付した(満)は任期満了、(願)は依願退任、(亡)は在職中死亡、(不)は退任理由不詳を表す。
  • 依願退任の場合は、前任者の退任日と後任者の就任日が重複する場合がある。
  • 旧日本銀行法に基づく辞令は「日本銀行総裁を命ずる」(またはその文語体)、1998年4月1日施行の現日本銀行法に基づく辞令は「日本銀行総裁に任命する」となっている。

本支店

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  • 本店 - 1店
    • 内部組織として、15の局室研究所(2室12局1研究所)が置かれている。
    • 本店本館は、建築家・辰野金吾の設計で、柱やドーム<丸屋根>などのバロック様式に、規則正しく並ぶ窓などのルネッサンス建築様式を取り入れた「ネオバロック建築」で、ベルギー中央銀行を手本にしたとされている、明治時代の近代洋風建築を代表する建築作品である。
    • 上空から見ると『円』に見えることで有名。建築当時『円』の正字は『圓』であるが、『圓』の略字(手書き文字)として『円』の字は昔から使われている(但し、建設当時に用いられていた略字体は下の横棒がかなり下のほうにあり『円』とはあまり似ていない)。1974年(昭和49年)に国の重要文化財に指定された。
  • 支店 - 32店
  • 国内事務所 - 14か所
    • 本支店所属の国内事務所 - 12か所
    • 電算センター(東京都府中市) 
    • 発券センター(埼玉県戸田市
  • 海外事務所 - 7か所

本店及び支店の業務区域

  • 「*」:事務所

不祥事

  • 1998年平成10年)3月11日 - 日本興業銀行三和銀行からの高額の接待の見返りに、金融動向に絡む日銀の機密情報を公表前に流したり、新しい資金取引への入札参加を認めたりするなどの便宜を図っていた疑いで、吉澤保幸営業局証券課長が逮捕された(接待汚職事件)。この事件に伴い、松下康雄総裁と、当時その後継と目されていた福井俊彦副総裁(その後、富士通総研理事長を経て、2003年日銀総裁に就任)が辞任し、日商岩井相談役の速水優が総裁に、時事通信社藤原作弥と日銀理事の山口泰が副総裁に就任した。
  • 2004年(平成16年)11月25日 - 前橋支店の職員数名が、上司等の管理者の離席の際に、同年11月1日に新しく発行された紙幣のうち、希少価値があるとされるいわゆるゾロ目の紙幣(4枚)を抜き出し、自分らの所有するゾロ目でない紙幣と無断で交換していたことが一般人からの通報に基づく内部調査により判明。当該職員らに最高で1週間の休職処分などの懲戒が科され、日本銀行も組織として謝罪した。
  • 2004年(平成16年)12月16日 - 前橋支店での不祥事に続き、神戸支店でも同様の不祥事が発生していたことを発表。さらに前橋支店の不祥事の後、特別調査が行われたが、その際「行っていない」と虚偽の申告をしていた、とのこと。
  • 2006年(平成18年)4月20日 - 日本銀行は職員2,150人を調査したところ、半数に航空機を利用した出張でごまかし精算があったことを発表した。
  • 2006年(平成18年)12月26日 - 日本銀行は国内の本支店、事務所に勤務する職員全員4,858人を調査したところ、約半数の2,368名に対し、合計約1億6800万円の残業代未払いがあったことを発表した。
  • 2008年(平成20年)3月22日 - 日本銀行松江支店における内部資料が「インターネットに流出している」という報告があり調査したところ、支店職員が無断で資料を持ち帰り、自宅の私物パソコンにて作業していた事が判明した。職員は停職1か月の懲戒処分を受けると同時に、退職を申し出て受理された。

日銀文学

日銀の公表文や会見は難解かつ曖昧で独特の言葉遣いである上に、微細な言葉の違いに大きな判断の変更が含まれていることが多々あるため、それを解読しようとする市場関係者を悩ませ、俗に「日銀文学」と呼ばれている。

日本銀行を主要な舞台とする作品

  • 城山三郎『小説日本銀行』(1963年、新潮社〈ポケット・ライブラリ〉/1971年、角川文庫/1977年、新潮文庫)

参考文献

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週刊東洋経済 2017年2/18号

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