新燃岳のまとめ情報

新燃岳』の解説

新燃岳(しんもえだけ)は、九州南部の霧島山中央部に位置し、有史以降も噴火を繰り返している標高1,421m活火山である。三等三角点は山頂のカルデラ縁にあり、噴火口およびカルデラは鹿児島県霧島市域に位置する。

平成噴火前まで高千穂河原から中岳を経由した登山道が整備され、山頂付近の植生はススキを中心とした草原となっており、所々に低木のミヤマキリシマ群生地が散在していた。当時も火山活動によってしばしば登山禁止の措置がとられる。

噴火史

便宜上10万年前よりも古い時代を古期活動期、10万年より新しい時代を新期活動期として分けている。古期の活動として、霧島火山群の韓国岳などと共に約15万年前の活動で形成され、数万年の休止期間を経た約6万年前頃に活動を再開したと考えられる。新燃岳としては約1万年前に山体形成が始まり、約5600年前、約4500年前、約2300年前にもプリニー式噴火があり周辺に噴出物を堆積させている。火砕物降下によるマグマ噴出量は0.07 DREkm。火山爆発指数:VEI4

  • 1716年
    • 4月10日 小規模な噴火。
    • 9月26日 山麓へ初めての降灰。
    • 3月11日正徳6年2月18日)、大音響とともに水蒸気爆発が発生し、黒煙が高さ3,000mに達した。 。
    • 11月9日享保元年9月26日
      火砕流が発生し、付近の山林に火災が広る。負傷者は31名、焼死した牛馬は405頭。神社仏閣など600軒が焼失し、石高で6万6000石の農業被害が報告されている。北へ約100km離れた宮崎県高千穂町でも、「霧島だけ」の火が見えたとある。(『矢津田家文書』)
  • 1717年
    • 2月7日から10日(享保元年12月26日から29日)にかけて噴火を繰り返し、霧島山東側の広範囲にわたって火山灰が降下した。2月13日(享保2年1月3日)朝9時頃、火砕流の発生を伴う大規模な噴火があり、死者1名、負傷者30名、焼死した牛馬420頭の被害があり、神社仏閣や農家など134棟が焼失した。周囲の田畑は厚さ10 - 20cmの火山灰に覆われ、農業被害は3万7000石にのぼった。新燃池の北西岸から火口壁を越えて山腹に至る直線上に約20個の小火口が形成され、噴出した噴石は1万t、火山灰は860万t。
  • 1962年(昭和37年)8月30日の朝、白黒色の噴煙が高さ300mに達したが、これは大きな噴火には至っていない。
    • 1983年(昭和58年) 12月28日 群発地震。12月29日 火山性微動。

影響

噴火により小林営林署職員や霧島町内にある湯之野温泉(霧島温泉郷)の施設従業員らが避難を余儀なくされた。周辺の市町村では新燃池の水が溢れて山津波が起きるという不安が広がった。火山灰は西風に乗って高原町小林市野尻町高崎町綾町、本庄町(後の国富町)、高岡町宮崎市にまで及び。また、噴石によってなど樹木の枝が折られる被害があった。火山灰によって小麦190ha大麦380ha、燕麦72ha、菜種26haの農地に被害が及び。吉都線ではレール上に積もった火山灰により列車がスリップし立ち往生する被害があった。

1991 - 2010年の活動

1991年までは顕著な活動は観測されず、表面的には平穏であったか、1991年に噴気活動を再開して以降2005年から2007年にかけてはGPS観測で山体膨張が観測されていたほか時折、地震活動の高まりが生じていた。更に、2008年になると山頂直下の火山性地震が増加し水蒸気噴火が起こった。

2005年9月から2007年9月には山頂部が膨張し。

経過

  • 1月19日 1時19分 空振を伴った小規模なマグマ水蒸気噴火、噴煙高度 200m。
  • 1月22日 噴火。
  • 1月26日 未明から小規模な噴火が発生していたが、14時49分頃、噴出が急激に強まった(準プリニー式噴火)。準プリニー式噴火が起こる前兆現象はほとんどなく、事前に警告は発せられなかった、火口から2500m上空の高さまで噴煙が上がり、火口から北西以外のほぼ全方向へ約1.5kmにわたる火砕流の跡も確認され、火口付近での火山雷なども観測された。
  • 1月28日の午前中に東京大学地震研究所による観測が上空からなされ、火口内では火口湖が消失し、直径数十m程度の溶岩ドームが出現したと発表された。宮崎市や都城市に火山灰が降り積もった。国土地理院は新燃岳は火口の真下の深さ約3kmと、火口からの西北西に約10km離れた深さ約6kmの2ヶ所にマグマが貯留していることを報告した。火口の真下には東京ドームの0.8杯分にあたる約100万m3のマグマが、西北西には約600万m3のマグマが溜まっていると推定され、今回の噴火によって膨張傾向にあった新燃岳の体積が縮小したことも判明した。宮崎県高原町は30日深夜、「火山が非常に危険な状態にある」として火口の東側にある町内の512世帯約1,150人に避難勧告を出した。火口から2km以内の入山規制が3km以内に拡大された。この噴火によって火口内に出現した直径500mの溶岩ドームにより、観光地として有名だった新燃池は消滅した。
  • 2月1日7時54分
    Paの空振を記録した。空振により100枚以上のガラスが割れ、火口から6km離れた霧島市牧園町の霧島温泉クリニックでは負傷者が出る被害があった。また、九州地方各地をはじめ四国地方愛媛県高知県でも家屋の振動が報告され、関東千葉県でも圧力変化として観測された。火口から南西約3.2kmの地点に70×50cmの大きさの火山弾と、直径6m×深さ2.5mの広さの穴が見つかった。火山灰や噴石の噴出量は26日の噴火から2日間だけで約7000万tと推計される。4回目の爆発的噴火の後に溶岩ドームの直径がさらに拡大し600mとなった事が判明した。溶岩ドームが火口に蓋をする形となったため、内部の圧力が高まり、溶岩ドームの頂上を吹き飛ばず形で爆発的噴火の間隔が狭まったが、2月になると爆発の頻度は減少に転じ、マグマの噴出も鈍化した。2月2日までの噴出量は270 - 370万m3と推定されている。
  • 2月14日午前5時7分
  • 3月1日、13回目の爆発的噴火。これ以降、爆発的噴火はなし。
  • 2012年(平成24年)1月以降マグマの供給を示す地殻変動は止まっているが、火山性地震は継続している(噴火警戒レベル3、入山規制が継続)。
  • 2013年(平成25年)10月22日、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)へ引き下げ。
  • 2014年(平成26年)地下のマグマだまりが前年12月頃から膨張する傾向にあり、1月にかけて付近で小さな地震が発生し、新燃岳の火口直下でも2月20日頃から地震が増加している。

影響

1月19日以降の噴火により噴出した火山灰は新燃岳の東側にあたる都城盆地宮崎平野南部、鰐塚山地などに広がり、遠隔地の日南市にまで降灰が及んだ。このため火口に近い高原町都城市および霧島市を中心として多くの被害が発生。特に1月26日夜から1月29日にかけては継続的に降灰があり、交通機関においては鉄道の運転見合わせ、高速道路の通行止、空港の一時閉鎖などがあった。道路に溜まった火山灰を除去するため、鹿児島市から路面清掃車散水車が都城市と日南市へ派遣された。また、小中学校の休校や、観光施設の一時閉鎖などの影響もあった。高原町、都城市および霧島市では住民の避難も行われた。農業においては農作物の生育不良や汚損などの被害があり、宮崎銀行宮崎太陽銀行は、被害を受けた個人事業主や農家に対応する融資を提供した。韓国岳や大幡池から中岳までは入山規制、高千穂峰も周辺道路の交通規制により登山できなくなった。Jリーグ川崎フロンターレ東京ヴェルディ1969アビスパ福岡横浜F・マリノスなどの多くのクラブは、宮崎県内でのキャンプを中止あるいは中断した。

2017年の噴火

2017年(平成29年)9月23日より火山性地震が増加し、10月5日に噴火警戒レベルが1から2へ引き上げられた。10月11日5時34分頃、6年ぶりに噴火し、噴煙が火口縁上300mまで上がった。噴火は小規模だったが、気象庁はさらに噴火が活発化する可能性があるとして11時5分に噴火警戒レベルを3(入山規制、警戒範囲2km)に引き上げた。10月14日には噴煙が火口上2300mまで上がった。10月15日には気象庁が、火山ガス放出量が1日11,000トンに急増したと発表し、警戒範囲を3kmに拡大させたが、10月17日を最後に噴火は停止した。この活動で噴出した物質には、深部から急減圧したマグマ物質と考えられるガラス光沢のある暗色粒子(G)が含まれていたと報告されている。

2018年の噴火

2018年(平成30年)3月1日午前8時頃から火山性微動が観測され噴火が発生、午前11時頃には高原町付近で降灰が確認された。2017年10月よりも激しい活動である。

防災

新燃岳は現在も活発な活動を続けており、状況の変化に応じた噴火警戒レベルが設定されている。最新の警戒レベルについては気象庁のウェブサイトで確認することができる。霧島山の山々は「霧島山(新燃岳)」と「霧島山(御鉢)」の2つがそれぞれ警戒対象に指定されている。地方自治体もリーフレット等で、防災に関する情報を提供している。

観測体制

鹿児島地方気象台及び東京大学地震研究所京都大学防災研究所防災科学技術研究所産業技術総合研究所などにより常時観測がなされている。

  • 鹿児島地方気象台は新燃岳の南西約1.7kmの観測点に地震計を、北東の観測点に傾斜計や火口カメラを設置しているほか、噴気ガスを観測。
  • 東京大学地震研究所霧島火山観測所は地震計、磁力計、GPS基地など約20ヵ所の観測点を配置。

通常は常駐観測者はいないが霧島市牧園支所に拠点を移し観測体制強化

  • 京都大学防災研究所は新燃岳から北西に約17kmの地点に観測室を設け、伸縮計による地殻歪などを観測。
  • 防災科学技術研究所は火山活動可視情報化システム(VIsualization system for Volcanic Activity)により観測を実施。

源流の河川

以下の源流となる河川鹿児島湾太平洋へ流れる。

参考文献

関連項目

外部リンク

Category:日本の火山

Category:霧島火山群

Category:鹿児島県の山

Category:宮崎県の山

Category:霧島市の地理

Category:小林市

Category:成層火山

新燃岳』の解説 by はてなキーワード

鹿児島県宮崎県県境付近に位置する火山。霧島連山のひとつ。

江戸時代や昭和期に噴火している活火山2011年1月26日など何度も噴火したことで知られる。

さらに2011年6月29日午前10時27分、霧島連山新燃岳の噴火を観測。噴煙量は中量で、火口の真上に高さ1千メートルまで上がったという。

標高は1420.8mで火口直径は約720m。火口の底には火口湖として新燃池があった*1

新燃池は直径150m、深さ30mで、色はエメラルドグリーンであったが、2009年4月に変色した*2

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