参議院のまとめ情報

参議院』の解説

参議院(さんぎいん、)は、日本立法府たる国会議院の一つで、衆議院とともにこれを構成する(日本国憲法第42条)。両院制を採用する諸国の上院に相当する。

概説

日本国憲法では両議院ともに全国民を代表する選挙された議員で組織される民主的第二次院型の二院制が採用された。

参議院議員の任期は、衆議院議員の任期(4年)より長い6年で、衆議院のような全員改選(総選挙)ではなく、3年ごとに半数改選(通常選挙)が行われる(憲法第46条)。また、参議院は任期途中での議会の解散がないが、衆議院は任期途中で解散となることが多く、実際の任期の差は更に広がる。そのため、衆議院と参議院で同時選挙が実施されても、参議院議員の半数が国会の議席に残っているという特徴がある。

参議院だけに認められる権能としては、衆議院解散中における参議院の緊急集会憲法第54条2項)がある。

一方、法律案の再可決(憲法第59条)、予算の議決(憲法第60条)、条約の承認(憲法第61条)、内閣総理大臣の指名(憲法第67条第2項)においては、衆議院の優越が認められている。予算については衆議院に先議権が認められているため、参議院は常に後議の院となる(憲法第60条)。また、内閣不信任決議内閣信任決議は、衆議院にのみ認められている(憲法第69条)。

もっとも、衆議院が可決した法律案について、参議院が異なる議決をした場合に衆議院が再可決するためには、出席議員の3分の2以上の多数が必要となり、議決のハードルは高い。また、参議院が議決をしない場合に、衆議院は否決とみなして再可決に進むこともできるが、参議院が法律案を受け取ってから60日が経過していなければならず、この方法を多用することは難しい。したがって、会期中に予算の他に多くの法律を成立させなければならない内閣にとって、参議院(場合によっては野党以上に与党所属の参議院議員)への対処は軽視できない。

なお、憲法改正案の議決に関しては、両院は完全に対等である。また、憲法ではなく法律に基づく国会の議決に関しても、対等の例は数多くある(国会同意人事等)。特に衆議院の多数会派と参議院の多数会派が異なる「ねじれ国会」では、内閣運営に大きな影響を及ぼすことがある。

相対的に参議院は政権に対して一定の距離を保ち、多様な民意の反映政府に対するチェック機能といった機能を有するものと言われてきた。したがって、衆議院とは異なるプロセスで選挙や審議を行い、多元的な国民の意思を反映することが期待される。

しかし、参議院については衆議院と全く同じ意思を示すと「カーボンコピー」と揶揄され、衆議院と正反対の意思を示すと「決められない政治」と言われる難しい存在であるという指摘がある。

河野謙三参議院議長の時代以来、参議院の性格・役割などにも関連して参議院改革の議論が行われてきており、一定の進展を見たものもある。正副議長の党籍離脱の原則、審議時間の確保、小会派への割り当て質問時間の増加、自由討議制の導入、決算重視の審査、押しボタン式投票の導入などが実現している。参議院改革論にはカーボンコピー論から来る参議院不要論に対抗するための「衆議院との差別化」の意図もある。

参議院の大きな特徴の一つとなっている押しボタン式投票は1998年(平成10年)の第142回国会から導入されたもので、利点としては「議事の迅速化(自席にあるボタンを押すことで投票を行うため、牛歩戦術のような抵抗ができない)」及び「議員個々の賛否を明らかにすることで議員の政治責任を明確化しやすい」の2点が挙げられている。ただし出席議員の1/5以上の要求がある場合は、押しボタン式投票は行われず、衆議院同様の記名投票によって採決を行う(参議院規則第138条)。また、佐々木案では「特議院ハ特議院法ノ定ムル所ニ依リ皇族及特別ノ手続ヲ経テ選任セラレタル議員ヲ以テ組織ス」とされた。議員の選出は、選挙による選出と、勅選議員の二本立てとされた。

一方、GHQでは1946年2月5日の民政局長会合で簡明な一院制を日本政府に提案することとなった。

その後、帝国議会と枢密院での議論のために法制局が作成した想定問答集では、「問 一院制を採らず両院制を採る事由如何」「答 一院制を採るときは、いはゆる政党政治の弊害、即ち多数党の横暴、腐敗、党利党略の貫徹等が絶無であるとは保し難いのであって(以下略)」と「政党政治の弊害」を両院制を採る理由としている。

参議院は全く新しく作られた組織で貴族院との直接のつながりは無い。ただし、初期の参議院が職能代表を指向したのは、かつての貴族院改革案のリバイバルであったという指摘もある。また、第1回参議院議員通常選挙は貴族院出身者が少なからず当選し、彼らが中心になって組織した院内会派緑風会は初期の参議院で大きな影響力を持っていた。

良識の府

内閣にとって多数派の支持が必須となる衆議院は、逆に言えば通常は内閣の存立基盤であり、日本国政府を監視し、その過誤を是正するといった機能は、参議院の方により強く期待されることとなる。

参議院議員の任期は6年と長く、院が内閣総理大臣によって解散されることもない。多様な人材を集めて充実した審議がなされ、院も内閣も議院運営上の駆け引きを抑制しつつも、良い緊張感を保ちながら誠実な議論の積み重ねが行われる「良識の府」となることは、参議院の一つの理想であるといえる。

ただし、参議院が新設された当時の議論では「良識の府」などという議論は全くなく、誰がこのようなことを言い出したかは不明であり、由来は不明である。また、設置の目的に存在したものでもない。

再考の府

衆議院先議案が衆議院で可決した後に参議院に送付されて国会で二度目の審議に入ることが多いことから「再考の府」とも呼ばれる。予算は衆議院先議規定があり、条約や法律も政権にとって重要法案は多くが政権側によって衆議院先議法案となりやすい。与野党対立法案では衆議院可決後に参議院で審議未了で廃案や継続審議となることもある。

学習院大学教授の福元健太郎が参院発足後の1947年から2000年に政府が衆議院先議に提出した7106本の全法案を分析すると、衆議院が可決した法案を参議院が実質修正したり廃案になった例は8%。審査回数で参議院が衆議院を上回ったのは22%という結果が出た。一方で、政策研究大学院大学教授の竹中治堅は「参議院は戦後日本の政治過程において多くの場面で現状を維持する方向で影響を与えてきた」と分析している。

衆議院で可決され参議院で否決された法案は過去に13例ある(みなし否決を除く)。ただし、衆議院で可決されたものの、参議院で議決できずに審議未了で法案が廃案になった例、参議院で修正案が可決された後で衆議院で参議院案が可決された例は多い。また、参議院で修正案が可決された後で衆議院が参議院案に賛成せず廃案になった例、参議院否決でも法案が成立した例もある。詳しくは衆議院の再議決を参照。

政局の府

内閣不信任決議は衆議院のみの権限であるが、参議院の権限は決して無視できないものであるため、内閣は常に両院を意識する必要がある。参議院議決が政局になることから「政局の府」とも呼ばれる。

佐藤栄作首相は「参議院を制する者は政界を制する」と語り、度々重宗雄三参議院議長の元に出向き、法案成立の協力を仰いだ。また、竹下登首相は「参議院を笑う者は参議院に泣く」と語り、参議院を軽視することを戒めた。衆議院の優越規定があるが、法案の採決における衆議院優越規定について、出席議員の3分の2以上という高いハードルを課していること、参議院に解散が無く、任期の長いことが影響している。参議院に内閣総理大臣に対抗しうるボスが出てくる傾向は、のちに村上正邦青木幹雄輿石東らでも見られている。

1975年には、伯仲国会の中で、政治浄化が課題だった三木政権の政治資金規正法の採決では可否同数となり、議長決裁で可決されて成立する決着を迎えた。ねじれ国会になると、1998年の問責決議可決による閣僚辞任、2008年には第二次世界大戦後初の日本銀行総裁空席や、ガソリン税暫定税率期限切れによるガソリン大幅値下げ、与党を無視した野党による強行採決による証人喚問、2011年の平成二十二年度等における子ども手当の支給に関する法律の採決では可否同数になり、西岡武夫による議長裁決など、与党が急に解決できない政治課題が度々出てきた。

また、2005年郵政国会では、参議院での郵政民営化法案の否決が、内閣総理大臣小泉純一郎による衆議院解散郵政解散)という最大の政局へ繋がった。

定数

議員定数は法律で定められる(憲法第43条第2項)。具体的には公職選挙法により定められ、以下のような経過をたどって、2015年(平成26年)7月現在、都道府県を単位とする選挙区選出議員が146人、全国を単位とする比例代表議員が96人であり、合わせて242人である(公職選挙法第4条第2項)。

  • 1947年:250議席、第1回選挙
  • 1970年:252議席、沖縄選挙区追加
  • 2001年:247議席、定数削減-5(第二次世界大戦後初)
  • 2004年:242議席、定数削減-5
  • 2019年:245議席、定数増加+3(2018年改正公職選挙法成立で埼玉県選挙区が2増に比例区が4増になり一部拘束名簿式再導入)
  • 2022年:248議席、定数増加+3

3年ごとの通常選挙で改選される参議院議員は定数の半分の121であり、衆議院議員総選挙で改選される465の4分の1に過ぎない。2013年の第23回通常選挙まで、この少ない改選数からさらに比例代表分48を差し引いた73のみを都道府県単位の47選挙区に割り振っていたが、各選挙区に最低1の改選数を与えるため、その余の26の配分を調整するだけでは選挙区間のいわゆる一票の格差を解消するのが難しく、2016年の第24回通常選挙からは、鳥取選挙区と島根選挙区、徳島選挙区と高知選挙区を合区参議院合同選挙区)してそれぞれ定数2(改選数1)とすることを含む10増10減による調整が実施されることとなった。しかし、選挙実施時には最大格差が3倍を超えると見られており、抜本的な解決にはなお遠い。

この問題についてはたびたび訴訟が起こされ、違憲または違憲状態とする判決が繰り返し出されている(一票の格差#参議院選挙区の一票の格差も参照)。

選挙

衆議院と同じく全国民を代表する選挙された議員で組織される(憲法第43条第1項)。3年ごとに総定数の半数ずつを改選する。都道府県単位(定数1~6)の選挙区制大選挙区制)と全国単位の比例代表制非拘束名簿式)の並立制であり、1人の人間が同時に双方へ立候補(重複立候補)することはできない。

比例代表制は1983年(昭和58年)の選挙から採用されている。その前は都道府県単位の選挙区制(地方区)と全国区制の2つが同時に行われていた。

現行制度の枠内で一票の格差是正のために各選挙区の定数調整を繰り返してきた結果、2016年の第24回通常選挙では改選数1の選挙区(一人区)が全45選挙区中32に上るに至る。衆議院の選挙制度(小選挙区比例代表並立制)と差が無くなってきたとも言われており、これもまた参議院の選挙制度の抜本的な見直しが求められる一因になっている。

2019年7月実施予定の第25回参議院選挙から比例区の一部で1983年から1998年まで採用されていた拘束名簿式(厳正拘束名簿式)が「特定枠」として復活することになり、これによって比例区では拘束名簿式と非拘束名簿式の両方が混合することになる。

なお、第1回通常選挙では、憲法第102条に基づいて全議員が選出され、得票の多寡により任期3年の議員と任期6年の議員に分けられた。

選挙資格と被選挙資格

選挙資格及び被選挙資格は法律で定められる(日本国憲法第44条本文)。

  • 選挙資格:18歳以上の日本国民(公職選挙法第9条第1項)。
  • 被選挙資格:30歳以上の日本国民(公職選挙法第10条第1項第2号)。
    • なお、選挙区で300万円、比例区で600万円の供託金を納めなければならない。

任期

任期は6年で半数を3年ごとに改選する(日本国憲法第46条)。参議院は衆議院と異なり任期中の解散はない。

現在の院内勢力

衆参両院とも、慣例により議長と副議長は会派を離脱する。

役員

両議院は、各々その議長その他の役員を選任する(日本国憲法第58条)。国会法上の役員は議長、副議長、仮議長、常任委員長、事務総長とされている(国会法第16条)。

議長及び副議長

議長は、その議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表する(国会法第19条)。また、副議長は議長に事故があるとき又は議長が欠けたときに議長の職務を行う(国会法第21条)。

国会法では各議院の議長及び副議長の任期は各々議員としての任期によるとされるが(国会法第18条)、参議院では通常選挙後の国会召集時に辞任して改めて選挙が行われることが慣例となっている。また、議長・副議長は就任にともない会派を離脱し無所属となることが慣例となっている。

仮議長

議長および副議長に共に事故があるときは仮議長が議長の職務を行うことになっており、選挙または議長の委任で選出される(国会法第22条)。

常任委員長

常任委員長は国会法上の役員で(国会法16条)、委員会の議事を整理し、秩序を保持する(国会法第48条)。

事務総長

事務総長は、議長の監督の下に、議院の事務を統理し、公文に署名する(国会法第28条第1項)。事務総長は、各議院において国会議員以外の者からこれを選挙する(国会法第27条第1項)。実際には異議のないことを確認した上で選挙を省略し議長が指名する先例となっている。

委員会

参議院特別委員会

特に必要があると判断された場合、特別委員会を設けることができる(国会法第45条)。第197回国会の召集日には7特別委員会が設置された。

調査会

参議院は、国政の基本的事項に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、調査会を設けることができる(国会法第54条の2)。

憲法審査会

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するため、各議院に憲法審査会を設ける(国会法第102条の6)。第167回国会の法改正による。

情報監視審査会

行政における特定秘密の保護に関する制度の運用を常時監視するため特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況について調査し、並びに議院又は委員会若しくは調査会からの特定秘密の提出の要求に係る行政機関の長の判断の適否等を審査するため、各議院に情報監視審査会を設ける(国会法第102条の13)。

政治倫理審査会

政治倫理の確立のため各議院には政治倫理審査会を設けられている(国会法第124条の3)。

附置機関

事務局
議院には事務局が置かれ、事務局には事務総長、参事、常任委員会専門員及び常任委員会調査員、その他の職員が置かれる(議院事務局法第1条第1項)。
法制局
議員の法制に関する立案に資するため、議院には法制局が置かれている(国会法第131条第1項)。

備考

  • 貴族院本会議場を引き継いだ参議院本会議場には、参議院議長席後方に「御席」と呼ぶ玉座があり、各国会回次ごとに天皇が臨席して行われる開会式に用いられる。なお、衆議院本会議場の衆議院議長席上方2階にも「御座所」と呼ぶ玉座があるが、参議院の御席のように議場内から直接階段で繋がっているものではなく、第二次世界大戦後に天皇が衆議院御座所に着座したこともない。
  • 議員バッジは金張りである。これに対して衆議院議員のものは、一回り小さく金メッキである。バッジを紛失した場合は自費で購入することになる。

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ぼくらの祖国

普段から著者のコメントに接している人達には聞き慣れている内容が多いかもしれない。
そもそも英訳すればmy countryになる「祖国」が右翼だけが使うものか?と学生に問うという話から始まり、硫黄島、尖閣、メタンハイドレートの話等分かりやすく解説してくれる。これはおそらくだけれど、普段から学生から熟年層まで含め、幅広い聴衆に対する講演や、大学の授業で講義をされている経験もあって、筆をもっても分かりやすい言い方になるのではないだろうか。
沢山参考になったことはあるが、小生がメモをした幾つかはこんなところ。


 1952.4.28にサンフランシスコ講和条約が発効したとき、尖閣諸島を含むところを「当面はアメリカの施政下に置く」と定められているのに、1949年成立した中国も抗議を一切しないばかりか、1953.1月の「人民日報」には、アメリカに占領され日本の人民が抵抗しているとの記事を掲載。
 1958年に北京の地図出版社が発行した「世界地図集」では尖閣の西側に国境線を引いており、当然共産党の許可のあるもの。
 以上から、「古来、中国領だった」と主張する中国の言っていることは嘘!
 メタン・ハイドレートは太平洋側には政府もお金をかけているが、もっと良質の量のあるのは日本海側。もはや日本は資源小国とは言えないぐらいの資源なのだから、政府は大きく動き活用すべき。竹島へ韓国が出てきているのは、今やメタン・ハイドレートの確保が思惑にあるものと理解すべき。
 硫黄島の滑走路の下にも英霊の遺骨多し。民主党政権は、これらも戻すと言いながらすり鉢山麓の所だけ掘り返して遺骨収集しようとした生半可な応しかしていない。

図書館本 読んだのは2012年5刷

白梅も、硫黄島も、北朝鮮のこともそれはそれで歴史の中で語られるべきであると想う。
そして資源としてのメタンハイドレートへの想いと憤り(アカデミズムに対する?)。

青山さんの視点は「祖国」とは何かなのだと思う。
日本人が日本という枠組みで認識したのは15-6世紀だと網野善彦さんは書いていたと思う。
国を愛する気持ちや守ろうと思う気持ちは大切であるが、国境を消していこうという
考え方もあるこをと知っておいても損はないのだと思う。


ナショナリズムの程度の差ということでも良い。

出演されている番組などを拝聴すると、どうも一方的な言質が多いようにも思う。
その一端が本書にも見える。それが本書の目的なのだろうが、それはそれで良い。

いろんな意見があるということを知るために、右も左も、そしてタカもハトも色んな本を読んだ方が
若い人は良いと思う。

5つ星のうち 5.0日本人として

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青山繁晴氏は虎ノ門ニュースなどネットメディアにて存じ上げていました。 度々「ぼくらの祖国」が話題に上がっていたので気にはなっていたのですが、なかなか手に取る機会がありませんでした たまたま、Kindleで見つけたので読むことができました WW2、3.11、メタハイ、日本人として心に刻む大切な話がそこにはありました 現在参議院議員として活動をしている青山さん、彼に一票を投じた一人として今後も変わらぬご活躍を期待しています

政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ

政治のニュースが理解できるようになる1冊です。 極めてわかりやすく書かれているので、 政治が苦手な人でも読みやすいです。 この本に書いてあるような基礎知識(池上彰氏厳選)がわかっていないと、 政治ニュースの行間は、読めないでしょう。 私も、この本でようやくテレビの政治ニュースが分かり始めてきました。 分かりやすく、切り口が抜群な著者の切り口に感銘しました。

5つ星のうち 4.0わかりやすい

(参考になった人 0/0 人)

まさにタイトルにあるように、普段の生活の中で政治にはほとんど関心を払っていませんでした。 今回この本を読んでみて、政治というのはこういう仕組みで出来ているのだと知りました。 図解入りで、文章も読みやすく、わかりやすかったです。 本書を読んだことをきっかけに、政治に関心を向けていきたいと思います。 余談ですが、この本はゴーストライターが書いた本だと思います。

国会の仕組み、大人になってもよく分からないままで、周りの会話が怖かったのですが、この本で少し整理することができました。 中高で習った断片的な知識と、普段のニュースで流れてくる情報が繋がりました。 もっと図式で解説している本を補助教材として活用し、理解を深めようと思います。

日本の国会――審議する立法府へ

本書は、戦後GHQのもと制定された国会の仕組みと現在に至るまでの制度について詳細に検討しながら、そのモデルとされたアメリカやイギリスを始めとする諸外国の国会と比較しつつ、その問題点をあぶりだそうとしたものである。

この国で議論されてきた国会制度とモデルとされたイギリスの制度を比較するとこの国の議論がいかに狭い世界でしか見ていないことに驚く。
長期自民党政権の元でつくられた事前審査、発言時間を割り振られている委員会制度、アメリカモデルに引きずられた議員立法、政府与党の一体化というウエストミンスターモデルへの幻想。


そういう議論から、むしろ同じ議員内閣制度を採用しているヨーロッパ大陸型モデルを紹介して方向性を示している。

参議院の政党化による衆院のカーボンコピーと強すぎる権限。
一方で、良識の府として、牽制機能を重視する見方。
民主党がモデルとしてきた、イギリスのウエストミンスターモデルの行き詰まり。
特に興味深いのは、「会期不継続の原則」である。
この原則の由来は、市民革命以前のヨーロッパで特定の議案を審議する臨時の機関であり、国王から付託された議案を審議し、結論が出れば解散したことにあるという。
すでに諸外国のほとんどがこの制度を廃止しているのに、この国では与野党の駆け引きの材料に使われている。

この国がいまだに諸外国のモデルを消化しきれず、いまだに会期に縛られ、法案はその都度葬られてしまう現状の制度は、いかにも欠陥が多いといわざるを得ない。

この国の国会がいかに世界的に見ても異質なものかよくわかる。
今のこの国に必要な提言が多く盛り込まれている。

5つ星のうち 5.0ぜひ読むべき本

(参考になった人 11/12 人)

本書は、「審議する立法府へ」というサブ・タイトルどおり、「日本の国会の審議がなぜ低調なのか」を分析した本です。

(a) 戦後のアメリカ占領下で憲法や国会法を制定する際には、議院内閣制をとる日本の国会であるにもかかわらず、アメリカの議会制度の影響を強く受けたこと、(b) 戦後間もなくの間は、衆議院も参議院も特色を発揮して議論も比較的活発であったこと、(c) 自民党政権下では、党内での法案の事前審査化が進み、それに伴って国会審議は空洞化したこと、などが時代を追って解説されています。


また、(d) 最近、注目され、改革の方向とされているイギリス議会(ウエストミンスター・モデル)は、日本人がイメージしているような制度・運営とは相当に異なること、(e) 参議院は、権限が強すぎて「ねじれ国会」によって審議が円滑に進まない事態を生んだり、参議院での多数を確保するために衆議院で過半数を有する党が連立を組まねばならないなど政治に大きな影響(弊害)を与えていることについても、しっかりと記述されています。

国会(立法)を考察することは、(議院内閣制をとる日本では)、政治、政党、行政などを考えることでもあります。本書は、これらについて様々に示唆を与えてくれます。
また、本書の論旨は明快で、文章も平明です。
ぜひ読むべき良書だと思います。

1.内容
国会の空洞化が言われ、改革も叫ばれているが、現時点では有効ではない。民主党(等)に政権が変わってもダメである。なぜそうなのかを、戦後の国会運営、諸外国(おもに英仏)との比較を通して分析し、改革案を提起した本。(1)自由民主党政権の事前審査制は、内閣に法案修正権がなかったのが主原因だったり、(2)議院内閣制を志向しているはずなのに、アメリカの制度を入れているので混乱したり、(3)ウェストミンスター・モデルを理想とするが、本家はそれから離れるように改革するなど、政府と与党の一体化というのは諸外国の流れに逆行している、(4)会期不継続の原則の廃止などの改革案の提言、などが書かれている。


2.評価
自由民主党化の政権運営に一定の理由があることや、政府から与党が自律性を持っているのが諸外国の傾向であること、議会の歴史など、有益な知識が満載である。ただ、憲法改革を視野に入れている割には、一院制への移行などの大胆さはない(著者はねじれを評価しているが、私は連立など(比例代表だと生じやすい)のほうがいいと思う。小選挙区制(衆議院)は現在の政治状況の矛盾から廃止すべきだが、議席の少ない野党にそこまで力を与えるべきか、疑問)。また、「言論の力」(p196)など、有効とは思えない改革案もある。以上、知識面で星5つ、提言や踏み込みのなさで1つ減らして、星4つ。

政界汚染 警視庁公安部・青山望

政治家 宗教 暴力団 医療法人
きな臭いところに 発生する 犯罪に対して
公安総務の 青山の 総合的な犯罪に対する見方が卓越している。
『公安は 事件がおこってからでは おそすぎる。』

大和田、藤中、龍 という 3人の中堅的な警部も
それぞれ 能力があり 理解力が 豊かである。

警察の科学的捜査力 情報分析力などに 驚かされる。
犯罪自体も グローバルとなり 巧妙になっているので
それだけ 警察力を 強くしないといけないということでしょうね。



精神病院を活用した犯罪
特別老人ホームを使った犯罪
中国との関係での犯罪
選挙テクニックによる犯罪
などが 重要なシーンがある。
納得勘があっておもしろい。

相変わらずのリアリティで、この描写を教科書的と批判する方もおりますが、私は教科書的に楽しんでいます。ただ、本作は前作に比べて冗長というか歯切れが悪く、捜査の展開と帰結も、今までに比べて、無理筋じゃなかろうか? 検察が全ての公判を維持できるだろうか? という疑問があり、星を一個下げました。
また、精神科病院について、精神科医は適当な病名をでっち上げて、向精神薬を流す温床になっているだとか、犯罪者をかくまうために入院させる国家の敵と言わんばかりの描写があり、これは著者の実体験があったとしても、本当に病気で通っている人に対しては、侮辱、差別発言です。このためもう一個星を下げました。二版が出るときは、中にはそういう悪い病院もある、などの配慮した描写に書き換えるべきでありましょう。

5つ星のうち 2.0青山望の出番少ない

(参考になった人 2/2 人)

公安部・青山望とありながら、影でデータのまとめだけのコンピュータ人間に思う。 カルテットの機能は良いが、青山望の出番少な過ぎです。

野球バカは死なず

本書の内容を一言で言えば、自叙伝、回顧録ということになります。
既に今まで70冊以上の著作を上梓されていますが、70歳という一つの峠を越し、また、スキルス性の胃がんで手術したことが、
契機となり、この様な本を上梓することになったようです。
江本さんといえば、タイガースのファンとしては、阪神時代の活躍が忘れられませんが、
才能がある割には、結構苦労されているようで、高校時代は、部員の不祥事で甲子園に行けず、
法政時代は、これまた監督とそりが合わず、冷遇され、やっとドラフト外で、東映に入団しますが、
これまた、1年で南海にトレードされます。

そして、ここで、野村監督と出会い才能を開花させますが、
サッチーの出現で、阪神タイガースにトレードされ、ここでもエースとして活躍しますが、
例の「ベンチがアホから・・・・・」の発言で引退することになります。
野球の指導者には、「男気」「ハート」または「理論」このどちらかが無ければだめだ!!江本さんの考えははっきりしています。
その意味で、中西代理監督は、このどちらもなかったということでしょう!
しかし、高知商業時代の伊藤監督にはびっくりさせられます。まるで、『タッチ」に出てくる監督を陽性にした感じですけど、
今こんな監督、今いれば、即アウトでしょう。
また、一流、超一流の差、これもわかる気がします。
野球引退後は、野球解説、評論家として人気を博し、俳優業にも挑戦します。
しかし、ヴォイストレーニングを受けていて、オペラ、ミュージカルに出演していたとは・・・・・。
そして、参議院議員、さらには、大阪府知事に挑戦・・・・そういえばありましたね!・・・・。
最後に今の野球界、選手に対しての毒舌が開陳されていますが、これもなんか妙に説得力があります!!
ともかく、この本面白いのですよ!!私は電車の中で読んでいましたが、途中で何度か吹き出してしまい、
周りの人から怪訝な目で見られました!!

野球界、芸能界、政界に足跡を残した才人・エモヤンの回顧録。
そうなんだと思った点、参考になった点としては、
・「一流」、自分の力で光り輝ける人。ただ、その輝きはその人だけしか輝かせない。一方、「超一流」は自分だけが光り輝くだけでなく、他人の長所もうまく引き出すことができ、一緒に輝ける人、「自分と共にみんなを生かせる人」。(P94)
→「超一流」の例として、張本やミヤコ蝶々を例示。
・法政時代の松永玲一監督との確執(P46~72)
・「江本は野村監督に発掘され、育てられた」という伝説は「違う」と断言。

「投げられるピッチャー・江本」に育ててくれたのは、東映であり、土橋コーチ。(P107)
・巨人生え抜きの〇〇選手は「巨人の主力」とのプライドから、嫁いびりのように外様も張本をいびった。乱闘時、張本は、江本に「〇〇、いけ」。(p172~173)。
・大阪府知事選に出た際の若手府議グループの筆頭格が、松井一郎・現知事。(P249)
などなど。
球界OBで、スター選手でもあり、政治家としても一世風靡した稀有な人物による回顧録だから、面白くないわけがない。
ただ、回顧録が、単行本でななく新書形式での発行になるのは、時代とはいえ、寂しく感じる。
一時代を築いた人の回顧録といえば、分厚い単行本・上下2分冊ぐらいがかつては普通だった。
かつて、海部元首相が、新潮新書で回顧録を出した時には、本当にびっくりした。
エモヤンの回顧録は、軽妙な洒脱なだけに、新書でも違和感はないかも。とにかく面白く、おすすめ。

江本氏の記憶力の良さにまず脱帽。 初めてのバッティング投手でストライクが入らなかった時に全ての球を打ってくれた張本選手。 おそらく張本は覚えてないだろうが、感謝の気持ちを忘れない江本氏だから今日まで野球界で生きていかれたのだろう。 今日の野球界の科学万能主義への批判もあるが、もう根性主義に戻ることは無いだろう。 解説のためにボイストレーニングに通い、ミュージカルの舞台に立ったのは知らなかった。 政治家としての活動や胃がんの摘出。 波乱万丈の人生である。 これからも野球界に苦言を呈してほしい。

参議院』の解説 by はてなキーワード

衆議院とともに、日本の国会を構成する議院

議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選される。衆議院とは異なり、解散はない。

議員定数は242名。

内訳は、都道府県単位の47選挙区から146名、全国単位の比例区から96名。

現在の憲法が成立するまでは貴族院であった。

成立当初は政党色が薄く、衆議院とは異なる性格の議会であった。「良識の府」とよばれ、政争の場となる衆議院と対比された。しかし、選挙制度が変更されると共に徐々に政党色が強くなり、「衆議院カーボンコピー」なとと通称されるようになった。現在では1人区中心の選挙区比例代表制の並立制という選挙制度がほとんど変わらなくなり、その性格がますます濃くなっている。

参議院』by Google Search

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